漸近

思想には向きと強さがあって、
立つ場所はそれぞれに異なっているので、
それらは決して重なることはない。
完全に同一の座標に立つことも、同一の視線を保つことも不可能なように。


触れえるのは「点」でのみ。


基本的には、
優しい誤解と優しくない誤解があるだけだと思ってます。
悲観でなく、諦観でなく、そういうものだと認識している。
自分の見ている月と、妹の見ている月はとても遠くにあって。


ただ時々、奇跡のような漸近が起こるだけだと。