Accuracy of Death

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

「人間が作ったもので一番素晴らしいのはミュージックで、もっとも醜いのは、渋滞だ。
 それに比べれば、かたおもいなんていうものは大したものではない。そうだろ?」


伊坂幸太郎は3冊目。
いまのところ『オーデュボンの祈り』が一番好きですが、これもおもしろかった。


いつも不思議な手触りだなぁ、と思う。


何百年も生きたカカシが人語を話そうと、
スーツの死神が一日中CDショップの視聴機に張り付いていようと、
なんだかいつもとても荒唐無稽なのに、
なんだかいつもふわりと受け入れられてしまう。


そこに「ある」ことを素直に感じてしまう。
この不思議で柔らかいリアリティ(?)がとてもここちよいです。